南京事件研究の最前線


一昨日の東京財団における東中野教授の「南京事件研究の最前線を語る」は、大変な関心を呼んだたようで、通常の虎ノ門道場参加者200名を大きく上回る320名が集まりました。講演内容も大変説得力のあるものだったと思います。多くの知人友人も目からうろこが落ちた、という感想をいっていました。単に虐殺の数が30万なんて多くはない、もっと少なかったなどということではなく、当時国際法違反の殺害を目撃したか、または死体(戦闘による)は多くの人が見ているが、それを虐殺によるものである、といった人は皆無である、という事実から、実態を推察すべきであるということを資料に基づいて示されたわけです。さらに決め手というべきことは、国民党の当時の宣伝部の極秘資料、そして宣伝処長曾虚白の自伝などによって、ティンパーリの「戦争とは何か」という英文書が、宣伝部がティンパーリーに金を与えて作らせたものであることが明らかになったことです。もう一つ大事なことは、南京大学の教授で聖職者のベイツが、陥落後の虐殺の饗宴のストーリーをニューヨークタイムスなどの記者に渡していたにもかかわらず、そうしたことが起こったという記録は当時の国際委員会の資料にも、ボートリンなどの記録にも全くないこと、4万に虐殺のうち1万2千は民間人であったという彼の「戦争とは何か」への匿名の寄稿は、全く根拠がないこと、そして極めつきは聖職者面した彼が国民政府の顧問であったことです。その彼が、東京裁判できわめて重要な証言者であったということです。

会場で話をききながら、虐殺狂信者は果たしてここへ来ているのだろうか、もしいたとしたらどう思っているのだろうかということです。日本軍を悪鬼のごとき存在と仮定しないととても成り立たないようなことを荒唐無稽な虐殺話を本気で考えている彼らですが、東中野教授が、冒頭で紹介したカティンの森の虐殺事件の事を見ていけば、そうそう簡単に大量虐殺などできるものではないことが良くわかるはずです。カティンの森では、ポーランド将校を中心とする兵士1万数千人が虐殺されたことは今でははっきりと確認されています。何しろポーランド将兵殺害の秘密命令をスターリンが出したことが文書で確認されているのですから。ナチの仕業と言い張っていたウソのことはともかく、この1万数千の虐殺を行うのはそうそう簡単なことではなかったということです。まず徹底的に重要なのは、トップからの命令です。それなしで軍という官僚機構は大掛かりな虐殺など行えるはずもありません。トップの命令があったればこそ、まずGRUが管理している厳重に立ち入りをコントロールできる「場所」を虐殺の実行場所として確保できるわけです。次にちょっとした穴掘りでは、1万数千の死体を見えなく埋葬などできません。そこで死体埋葬実行部隊が動員されなければなりません。スターリン命令に基づいているので、囚人部隊をその実行作業隊員として動員することができ、そうしました。深い穴を掘り、死体を12層に重ねていたといいます。そして完全に隠蔽したわけです。その作業は大変なものであったからこそ特別作業部隊が動員されたわけです。残念ながら、立ち立ち入り禁止地区はドイツ軍に占領され、そしてついに死体が見つかったというのがカティンの森の虐殺です。

南京を考えてみるとこのすべてがかけています。1)虐殺命令など全く出ていなかった。2)埋葬部隊の動員など全くなかった。3)埋葬は、紅卍会が行ったが、何も秘密ではなく、又立ち入り禁止地区もなかった。4)立ち入り禁止地区などなかったので、どこにも新聞記者は取材にいけた。5)埋葬されたのは敗残中国兵の遺棄死体であることは当時誰も疑わなかった。その証拠には、そうした死体の存在は誰もが知っていたが、誰も(たった一人も)それが虐殺死体であると「当時」言ったという記録はない。

これ以上あげるのは馬鹿らしくなりますが、要するに「マオ」でユアン・チアンが、毛沢東を非難して南京虐殺のことを触れていないのはけしからんとおろかなことを言っていますが、なかったのだから毛沢東も書かなかった、それだけのことなのであります。結論はきわめて明快です。(それでもわからない、狂信的日本悪者教徒が存在するようですが、死ななきゃわからないとしたらお気の毒としか言いようがありません。)

確かにこうしたおろかな狂信者と議論している場合ではない、というご忠告はその通りと思います。しかし、こんな馬鹿なことばかりをしているわけではありませんで、東京財団と協力して、THE NANKING MASSACRE: Fact Versus Fiction の海外有力者への送付、インターネットによる発信、そして様々な海外発信活動も粉いつつあります。WILL3月号の「南京虐殺はブラック・プロパガンダ」を是非お読みください。これから海外に向けでどんどんやっていきます。是非ご協力ください。